11月の登山はヤマトタケルに会いに、武尊(ホタカ)山へ!
日本武尊と書いてヤマトタケルと読みますが、
約2000年前の皇族で関東から東北地方を征討した日本古代史上の伝説的英雄です。
武尊山という名前は、その関東征討の故事に由来し江戸時代から呼ばれたとされています。
みなかみ町、川場村、片品村にまたがる標高2,158m日本百名山のひとつでもあり、
山頂での見晴らしが良いらしく雪が降る前に一度行ってみたかった山です。
登山ルートは日当たりが良いであろう南からの川場ルートを選択しました。
陽が短い季節なので暗いうちから行動します。
登山口を目指して暗闇の中を初めて走る林道は、恐怖でしかありません。
そして登山口からヘッドライトを装着し、ひとり歩く山中も恐怖でしかありません。
ようやく空が白み始め、振り返った赤城山方面から朝日が昇る気配です。
前方には朝日に照らされた山が見えてきました。
(これをモルゲンロート(ドイツ語)というらしいです。)
陽が登るにつれどんどんモルゲンロート部分が増えていきます。
霜柱や氷柱がある通り気温は氷点下、マイナス2℃ぐらいでしょうか?
寒そうですが登山中はシャツ一枚でも軽く汗ばむくらいの適温です。
むしろこれから日が当たると暑くなったり、道がぬかるむので今のうちに距離を稼ぎたいです。
尾根道に出たところで、ついに朝日に捕まった顔です。
スタートから1時間、ようやく眺めがいいところまで登ってきました!
肉眼だともっと大きく見えるんですけど、中央に富士山が見えます。
片品村から登ってくるルートと合流したあたりに、オグナほたかスキー場の一番高いリフト降り場の脇を通り過ぎます。
父の実家が片品村で、スキー場というとここに連れて来てもらったので懐かしいですね、40年後に登山で来るとは当時の飯塚少年は想像もしなかった事でしょう。
この辺りから急登が続きます。
鎖やロープも有りますが、イキって使わず登ります。
(疲れたので下りはお世話になりました。)
絵にかいたような青空、加工無しです。
約2時間かけて前武尊山という手前の武尊山、第一ヤマトタケルさん発見!
一緒に眺めた先は、日光白根山方面でした。
武尊山はまだ奥なので先を急ぎますと・・・
いきなり特徴的な形の山が現れます。
川場剣ヶ峰という山ですが、今の私にはテントにしか見えません。
崩落の危険があるため今は登れませんので脇を通って武尊に向かいます。
川場剣ヶ峰を脇道から通り越すとすぐに、尖った岩山に遭遇しました。
よーく見ると鎖が下がっていて行けるみたいですが、登らない脇道もあり・・・・
「怖いし、どうしようかなぁ~」と迷っていたら、(アプリの)登山者接近のお知らせ。
「こんなヒヨってるところ見られたら恥ずかしいから登るか!」と岩をよじ登りました!
「トサカ岩」という名前らしく、360度の絶景の頂上はほんとに狭く、どこに転んでも真っ逆さまな怖い所でした。
ちなみに接近した登山者は安全を見て登らず脇道を行ったそうです。
下山後にアプリ上で「あの時、あそこにいた方ですよね?」みたいな感じでメッセージでやり取りしました。
トサカ岩から見たこれから歩く方角の景色です。
左奥の山が目指す武尊山です。
ゴツゴツした岩場を下っていくのですが、
日影は岩に霜が付いていて滑るわ濡れるわで難儀しました。
このあとはこんな感じを登ったり、
いったん下って(下るなら登らせるなよっ!ていつも思います)凍った池の脇を抜けまた登り・・・
いよいよ武尊山山頂前というところで、
第二ヤマトタケルさん発見「もう少しだ、頑張れ!」と言われているようでした。
第二タケルさんは
富士山を見ておられました。
第二タケルさんをあとにし、ようやく
武尊山山頂にたどり着きました。
比較的広い山頂は360度の大パノラマで富士山、南北アルプスから近くに谷川、三国連峰、北に八海山や等新潟の山々、尾瀬の至仏山・燧ケ岳などなど・・・・
ほぼ名前が分かりませんが、とにかくたくさんの山が見られました。
山頂には誰もいなかったので30分位ゆっくり景色を楽しみました。
特にこの剣ヶ峰山(先ほどの川場剣ヶ峰とは違う)への稜線は素晴らしいですね、
みなかみから登って剣ヶ峰経由で帰るコースを春になったらチャレンジします。
さて、来た道を戻りましょう!
第二タケルさん、さようなら!
帰りは気温も上がり、登山道がぬかったり、小川となっている所もあり大変でした。
霧氷発見、この辺りでお昼とします。
アルコールストーブで湯を沸かし、レトルトのカレーリゾットです。
温めたお湯はスープにして頂きました。
静けさの中で1人食べていると、林の中から度々
「ザザッ!」という音がしてビビります。
「熊?!」
霧氷が溶け笹薮に落ちる音でした。
来た道をひたすら戻ります。
怖かったトサカ岩も登らず迂回し
第一タケルさんにも、さようなら!
行きは気づきませんでしたが、遠くに桐ノ木平キャンプ場が見えます。
来年はセットで来ようかなぁ?
ぬかるみ地獄の後は枯れ葉地獄の下りでした。
気を付けないとズルっといきます。疲れているので、
気を付けてもズルっといきました。
到着です!
朝は真っ暗でしたが、登山口の川場谷野営場はこんなところです。
3組ほどキャンプしてる人がいました。
ちなみに標高差は1243mでした。
凍結、ぬかるみ、落ち葉と足場が悪く距離のわりに疲れました!
お客様係 飯塚邦彦
健康で楽しく暮らせる ぐんまの木の家