4人掛けのテーブルが3脚。
座敷に4人掛けが2脚。
扉を開けて店内に入れば、一目で厨房まで見渡せる程の広さの食堂。
厨房ではスプーンおばさんのようなかわいらしいおばあちゃんが一人できりもり。
1時を回った時間にも関わらず店内はほぼ満席。
空いているのは4人掛けの1座敷のみ。
『お座敷いいですか?』
『空いているお席へどうぞ。』
おばあちゃんは店内の様子を把握する余裕もない様子。
入店するなり『セルフだな』とわかる雰囲気。
『ラーメンご注文の方~。』
かすかに聞こえる声を頼りに、上げ膳・下げ膳も、もちろんセルフ。
厨房へ向かい、
『注文いいてすか?カレーラーメンと半チャーハンお願いします。』
とオーダーすると、
『注文はテーブルにある紙に書いて持って来てもらえますか。』
なるほど、そりゃそうだ。と全てを察してテーブルに戻ろうとする私に、
『ごはんはもうないかもしれないよ。』
『そうなんだ~。』
残念がっている私の様子を見るとおばあちゃんがトコトコと厨房の裏へ。
(あれ~、どこへいっちゃたのかな~。)
しば~らく時間をかけて厨房裏へ行き、しば~らくすると、こぶしを握りしめながら
『これ~くらいならあるけど、ごはん食べるかい?』
『いただけるなら、お願いします。』
そういうことか~とほっこりしながら座席へ着座
『カレーラーメンの方~。』
耳を凝らして待っていた声に寄せられて厨房へいくと、
『少しでいいならチャーハンつくるけど、食べるかい?』
『いただけるなら是非!』
『料理はひとつづつしかつくれないからまっててね。』
『はい^^』
先にできた熱々のカレーラーメンをすすっていると
『どうぞ~。』
とチャーハンを届けてくれました。
お会計はカレーラーメン代のみ。
『お母さん、チャーハンありがとう。』
『また来て下さいね。』
のれんもない店舗を後にしました。
おばあちゃん、また絶対食べにくるからね!
店名や場所はあえて秘密にいたしましょう。
お客様係り 横山 暢哉