齋藤英之物語 ~子供たちへの想い~
子供たちへの想い
今の子どもたちの遊び方が、いつの間にかデジタルな遊びになってる。
デジタルな遊びは、遊び方を機械が考えてくれる。
私が子供の頃の遊び場は、山だった。
山の中で遊ぶのに、自分たちなりのルールがあったから加減を知っていた。
だからいじめもなかった。
加減の中にもルールがあったからだ。
でも、今の子供たちは加減を知らない。
「せっかくこういう仕事をしてるんだから、何かできないか?」
試行錯誤して、ままごとキッチンの寄贈を始めた。
おもちゃで簡単に手に入らないモノ、自分たちでルールを作れるもの。
いずれ大きくなったら、男も女も料理をするよな・・・
そう考えたら、キッチンが良いのではという発想が浮かんだ。
アナログの遊びの中でルールを自分たちで作って、想像力を付けてもらえればと思っている。
ままごとキッチンは実物のキッチンと同じサイズで作らているから、
誰かが独り占めして持ってく事もない。
自分たちでルールを作って遊ぶことが出来る。
寄贈を始めた当初は完成形をプレゼントしていたが、それだと想いが伝わらないと気づいた。
だから今では工場スタッフがサポートしながら、寄贈先の職員の方に手作りしてもらっている。
そうすれば職員の方の想いもキッチンに宿るし、子供たちにも大切に使ってもらえる。
そう考えたからだ。
子供たちには、物を大切にする素直な心を持って育ってほしい。
それが、人として一番大切なことだから。