あるプレハブメーカーの建築現場を見掛けました。工場で生産された壁が建込み待機中です。
5㎝角ぐらいの鉄骨の丸い穴からグラスウールが覗けます。①(木枠部分は空洞です。)
外壁との間には厚み1センチ2ミリぐらいでしょうか?グラスウールボード(グラスウールの密度を高め板状にしたもの)が挟まっています。②
この会社では断熱性能が素晴らしいとメディアを通じてイメージ宣伝している外張り断熱工法です。
(これが外張り断熱工法と呼べるかどうかという議論は置いといて・・・・)
果たして本当でしょうか?
簡単な式で計算できますのでやってみましょう。(メンドクサイかたは下段の結果までスクロール願います。)
まず、グラスウール(高性能16㎏/㎥品と仮定)の熱の通し難さ(熱伝導率)は0.038W/m・k、
これを厚み5㎝(0.05m)で割るとその部材の熱の通し難さ(熱抵抗値)が出ます。
①グラスウール部分 0.05÷0.038=1.315
同じ要領でグラスウールボード140㎏/㎥品を調べてみましたが、断熱性能の詳しいデータは見つかりません。
そのハウスメーカーによるとグラスウールの1.5倍の性能と謳われているので、先の0.038を1.5で割って(値が低いほど高性能なので)
換算します。
②グラスウールボード部分 0.012÷0.025=0.485㎡・k/w
①+②で2つの断熱材の層を組み合わせた熱の通し難さ(熱抵抗値)となります。1.8㎡・k/wですね。
当社のセルロースファイバー断熱材の壁と断熱性を比べてみましょう。
厚みは構造材の4寸にびっちり充填しますので、12㎝(0.12m)、断熱性能は密度55㎏なので0.04W/m・k。
熱抵抗値は 0.12÷0.04=3
壁の断熱性能、つまり熱の通し難さは1/熱抵抗値で求められ単位はW・㎡/hです。
噛み砕いて説明しますと「室内外の空気温度に1℃の差が有るときに、その壁1㎡のから1時間に出入りするエネルギーの量」
です。
数値が小さいほうが性能が良い=「快適な室内環境を少ないエネルギーで得られる」ということになります。
このプレハブメーカーの外張り断熱工法の断熱性能は、 1÷1.8=0.56W・㎡/h
斉藤林業のセルロースファイバー充填断熱工法の断熱性能は、1÷3.0=0.33W・㎡/h
住まいづくりは一生に一度の高い買い物です。
テレビCMなどで賢そうなタレントや戦隊キャラをもじった宣伝をされると、惑わされてしまいがちですが、
正しい情報と知識で家づくりをご検討いただきたいと願う
マーケティングチーム 飯塚 邦彦