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コラム

2026.06.28

展示場に行くのはもう遅い?「タイパ重視」の時代にSNSで家が売れる納得の理由

かつてマイホームの購入を検討するとき、まずは週末に複数の総合住宅展示場へ足を運び、何社ものパンフレットを集めるのが一般的なスタートラインでした。しかし、現代の家づくりにおける常識は完全に塗り替えられています。スマートフォンが普及し、誰もが日常的にSNSを利用するようになった今、なんと「展示場を訪れる前」に購入先がほぼ決まっているケースが急増しているのです。なぜ、一生物の買い物である「家」がSNSを通じて売れるのか、その背景にある現代の購買心理と新しい住宅選びの形に迫ります。

展示場巡りは過去の話?激変した訪問社数

展示場巡りは過去の話?激変した訪問社数

少し前までは、家を建てる際に平均して7社ほどの住宅会社や展示場を回り、比較検討するのが当たり前でした。しかし、現代の検討者が実際に訪問する住宅会社の数は、平均してわずか2〜3社にまで激減しています。
この変化の背景にあるのが、現代人が最も重視する「タイムパフォーマンス(タイパ)」の意識です。効率の悪い商談や、自分たちが求めていない長時間の説明を嫌うユーザーは、実際に足を運ぶ前にネット上で徹底的にリサーチを終わらせています。つまり、展示場に行く段階ではすでに最終候補が絞り込まれており、初回の対面商談が「事実上の決勝戦」になっているのです。

購入の決め手は「何を買うか」から「誰から買うか」へ

購入の決め手は「何を買うか」から「誰から買うか」へ

住宅の建築技術や断熱性能が業界全体で底上げされた現代において、商品そのものだけで他社と圧倒的な差別化を図ることは難しくなっています。そこで消費者が重視するようになったのが、「どの会社で建てるか」ではなく「誰から買うか」という点です。
ある調査データでは、住宅購入の決め手の約7割が「営業担当者」であるとも言われています。高額な買い物だからこそ、自分たちの要望に寄り添い、信頼できるパートナーに託したいという心理が働きます。この「人柄や価値観の選別」を、展示場に行く前の段階で可能にしているのがSNSです。

出会う前に信頼が生まれる「0次接客」の仕組み

出会う前に信頼が生まれる「0次接客」の仕組み

住宅会社や個人の営業担当者が発信するInstagram、TikTok、YouTubeなどのショート動画や投稿は、単なる物件紹介にとどまりません。ルームツアー動画を通じて空間の動線やこだわりを視覚的に伝えるだけでなく、発信者の声や話し方、家づくりに対する誠実な姿勢がそのまま画面越しに伝わります。
このように、実際に会う前のオンライン空間で顧客を丁寧にもてなし、信頼関係を築いておくプロセスのことを「0次接客」と呼びます。ユーザーは自宅にいながらにして担当者の専門知識や仕事への熱量に触れ、会う前からじわじわとファンになっていくのです。

SNSがもたらす「担当者ガチャ」の解消

SNSがもたらす「担当者ガチャ」の解消

家づくりにおいて、多くの人が不安視するのが「どんな担当者がつくか分からない」という、いわゆる「担当者ガチャ」の問題です。どれだけ魅力的な住宅会社であっても、相性の合わない営業担当者が窓口になってしまっては、理想の家づくりは遠のいてしまいます。
SNS発信を起点とした家づくりでは、このミスマッチが起こりません。ユーザーはSNSを通じて「この人の提案する家が好きだ」「この人の仕事ぶりに共感できる」と確信を持った上で、LINEなどを通じて直接指名で問い合わせを行うからです。初回面談の時点ですでに相思相愛の信頼関係ができあがっているため、その後の打ち合わせも非常にスムーズに進むという大きなメリットがあります。

まとめ

「SNSで家を売る」というと、一見すると突飛なデジタルマーケティングの手法に思えるかもしれません。しかしその本質は、かつて行われていた対面の口コミや紹介による信頼関係の構築を、SNSという現代のツールに置き換えて、よりオープンに、より広範囲に行っているに過ぎません。
家づくりの主導権が「展示場」から「個人のスマホ画面」へと移った今、SNSは単なる宣伝ツールではなく、未来の施主と理想の作り手を結ぶ、最も人間味にあふれた架け橋となっているのです。