Column

コラム

2026.04.19

【支店長コラム 改め 専務コラム】|ままごとキッチンを通して子供達へ伝えたい事

私たちの暮らしにおいて「木」は非常に身近な存在ですが、現代においてその「真実の姿」を知る機会は意外にも少なくなっています。

斉藤林業では、家づくりの過程で生まれる端材を活用し、県内の幼稚園や保育園、児童館などへ「ママゴトキッチン」を無償提供する活動を続けています。

これは単なる端材の有効活用に留まりません。そこには、これからの時代を担う子供たちにどうしても伝えたい、大切なメッセージが込められています。

失われゆく「本物の木」との境界線

近年、教育の現場では「木育(もくいく)」という言葉が注目されるようになりました。

木に触れ、豊かな感性を育む取り組みが広がる一方で、ある深刻な現状も浮き彫りになっています。

それは、世の中に「木目調」のフェイク素材が溢れた結果、本物の無垢材と偽物の区別がつかなくなっているということです。

実際、ある中学校の技術・家庭の授業では、8割以上の生徒が無垢材と新建材の木目調シートをどちらも「木である」と答えました。

子供たちだけでなく、大人たちでさえもその境目が曖昧になっている今、私たちは「本物の木」を身近に感じてもらう機会を、意識的に作らなければならないと感じています。

五感で触れる「木生」というドラマ

無垢材で作られたママゴトキッチンは、子供たちに多くの「発見」を提示します。

指先から伝わる柔らかな温かさ、鼻をくすぐる清々しい香り、そして道具を使えば削ることができるという性質。

これらはすべて、その木がかつて森で生きていた証です。

「この木はね、遠い森から運ばれてきたんだよ」と語りかけるとき、そこには単なるモノとしての道具ではなく、命の循環である「木生(もくせい)」の物語が宿ります。本物の木に触れる体験を通じて、子供たちは言葉以上に雄弁な、自然の重みや優しさを学んでいくのです。

森からはじまる家づくりと、未来への種まき

斉藤林業が掲げるテーマは「森からはじまる家づくり」です。

そして、このママゴトキッチンを通じた活動もまた、その信念の延長線上にあります。

木や森に対して興味を持つきっかけの場を作り、少しでも多くの関心を寄せてもらうこと。

それは、私たちが大好きな仕事であると同時に、未来の暮らしを豊かにするための種まきでもあります。